読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

若者言葉と文字に対する人の認知の変化

2017 日本語 言語

今回はテーマに関係のない記事です.

先日新聞を読んでいたら,若者言葉を扱っている記事がたまたま目に入りました.

デジタル版はこちら

www.asahi.com

 

まぁ私もまだ若い部類なので,だいたい分かるのですが,唯一気になったのが,若者言葉の「り」でした.

 

「り」の一言で「了解」という意味になるようです.一昔まえは「りょ」だったような…

この「り」を受け入れるのはなかなか難しい.「りょ」は簡単に受け入れられるのに.ただ略してるだけではあるのだが,今までの略し方と2つの点で性質が違うのです.

まず1つ目は「音」.

速読法などを身につけている人は除きますが,多くの人は文字を読むときに,音への変換を通じて文章を理解する人が多いかと思います.

そのため,「りょうかい」を略すと「りょ」になっていたのです.「り」という音はありません.

これは文字を音として認識の変換をしていないことを表しているのではないかと思います.今の若者の多くが,速読法などの技術を身につけているわけではないと思うので,純粋に文字への接し方の変化を表しているのかもしれません.

今の若者は口を通じての言葉よりも電子媒体を通じての言葉の方が接する時間が長いことが関係しているのでしょうか.

 

そして2つ目は「文字入力方法」.

略語の登場の仕方はおそらく「口語」から始まったのかと思います.

言語の専門家ではないのでわかりませんが,もしかしたら,親しい友人間の手紙などから始まっているかもしれません.これは単純に長いものを短縮するだけのものです.

 

次の場面が「ポケベル」でしょう.

これはtwitterなどの比でないくらいの短さで伝えないといけなく,はじめは数字のみだったというのですから,ここでは必要に駆られて,ということになり,ちょっと特殊です.

参考:

biz.moneyforward.com

 

そして第三の場面が「PC」でしょう.

今や文字数は体力と根気が続く限り入力しても送信することができるようになりました.ただ,面倒なので,口語で略したのと同様に略したくなるのが人間.

ここでの特徴は「ローマ字入力」にあります.

分かりやすい例でいえば"おk",さらには"KY"もその部類かと思います.

日本語とアルファベットの混在,文字の「入力」数の省略になりました.

 

そして第四の場面が「スマホ」です.

同じ電子媒体でもPCではローマ字入力でした.しかし,スマホではフリック入力がデフォルトになっており,「かな」を直接入力します.ここで今までと違うのは二文字で一音だった文字についても分離してしまうことです.この変化によって「り」が生まれます.

「りょ」は口語では「りょ」,ローマ字入力では「ryo」ですが,フリック入力では,「り」「よ」「小さく」となります.

これにより文字は1つとしてもまとまりを失い,音としては1つでもばらばらのものとして認識されるようになったのかもしれません.

 

このように基本的に文字の入力は人間にとって使いやすいように設計され続け,常に変化してきています.しかしそうはいってもいずれも自然なものではなく,当たり前になった人工的なものは少なからず人間に不自然な自然的変化をもたらしているのだと思います.

言語学ではこのような変化や関係も研究の対象になるのでしょうか.なるのだったら,とても面白そうです.

そういえば,いわゆる「ガラケー」はまた違う文字入力でしたが,ここでは特有の略し方は生まれていない気がします.これもまた逆に不思議ですね.